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2007年 10月 25日

陶淵明「抱樸含真」

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和紙 金銀砂子 22cm×31cm
唐筆 東方紅(武林邵芝巖)
唐墨 酔墨淋漓(曹素功)
石泉印泥
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樸を抱き、真を含む。 (純真素朴な心をもつ)

陶淵明の四言詩「勧農」のなかの言葉。

教え子の一人が、習い事の水泳が忙しく、遊ぶ日は二ヶ月に一遍だ、という。
学校から帰るとすぐに水泳の練習があり、くたくたになって帰ってきたら、宿題をやって床につく。
土・日は朝練と午後練。水泳がない日は塾。
たしかに小学4年生にはハードすぎる。
友達と遊ぶ暇がないとは、なんとも気の毒なことだ。
そう思いながら、ふと思い当たることがあり、きいた。
水泳と遊びはどちらが好きか。
その子は目を輝かせながら「水泳!」と答えた。

気の毒なことなど何もなかったのだ。
他の子たちが遊びに夢中になるように、その子は水泳に夢中になっているのだ。
ひたむきに水泳に取り組むその子の日々は、遊ぶ時間がなかろうとも、この上なく充実したものに違いない。
そんな姿が心底羨ましかった。

by beize | 2007-10-25 02:25 |


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